お金がない時にピンチを乗り切る方法は幾つもありますが、その中には市役所や社会福祉協議会の利用が挙げられます。
手元にお金が必要なのに消費者金融の利用が出来ないといった場合には、こういった公的機関の存在はたいへん助かるのではないでしょうか。
わたしたちの生活や福祉を守るためにどのような貸付制度があるのか、市役所や社会福祉協議会でお金を借りる方法を紹介します。
生活福祉資金貸付制度
生活福祉資金貸付制度は、各都道府県市区町村の社会福祉協議会が主体となって実施している、生活や福祉のための貸付制度です。
低所得者・高齢者・障害者の生活に必要な資金を貸し付け、経済的に支える事を目的としています。
貸付といっても市役所や社会福祉協議会は公的な機関なので、営利目的で営業している金融業者の場合と違い、お金を借りる際の金利が非常に低く設定(通常数%程度)されています。
生活福祉資金として以下のような制度があります。
総合支援資金
生活に困窮する世帯の生活の立て直しをサポートするための制度として、総合支援資金が挙げられます。
・生活支援費:生活再建までの間に必要な生活資金を貸付
・住宅入居費:賃貸契約を結ぶために必要な資金(敷金・礼金等)を貸付
・一時生活再建費:生活を再建するために一時的に必要かつ、日常生活費でまかなう事が困難である資金を貸付
社会福祉協議会のような公的機関からお金を借りる場合、往々にして借金の返済にお金を回す事は出来ない場合が多いのですが、一時生活再建費は債務整理のために必要な資金を支援してくれるという特徴があります。
福祉資金
病気や介護、緊急を要する方のための福祉資金として以下の制度があります。
・福祉費:生業・病気療養・介護サービス・障害者サービス・住宅の増改築や補修などに必要な経費などを支援するための貸付
・緊急小口資金:一時的に生計の維持が困難でなおかつ緊急性が高い場合に、少額の費用(概ね10万円程度)を支援するための貸付
教育支援資金
低所得世帯である事が子どもの勉学や進学の障害にならないよう、以下の制度が用意されています。
・教育支援費:高校や大学などに修学するために必要な資金を支援するための貸付
・就学支度費:高校や大学などへ入学する際に必要な経費を支援するための貸付
不動産担保型生活資金
不動産を所有する低所得者向けの融資制度もあります。
・不動産担保型生活資金:居住用不動産を担保として生活資金を貸し付ける制度
・要保護世帯向け不動産担保型生活資金:保護が必要な高齢者世帯に対して、居住用不動産を担保として生活資金を貸し付ける制度
コロナ支援資金貸付
市役所や社会福祉協議会では、新型コロナウイルス感染症の影響を受け収入が減少したり、休業や失業を余儀なくされた世帯が利用できる貸付制度も運用しています。
緊急小口資金と総合支援資金が代表的なコロナ支援資金貸付制度です。
各都道府県市区町村の社会福祉協議会が申請の窓口になっています。
緊急小口資金も総合支援資金もかねてから社会福祉協議会で運用されていた制度ですが、新型コロナウイルス感染症による影響の重大性を考慮して、貸付適用要件を特例として緩和している(資金貸付が受けやすくなっている)のが特徴です。
緊急小口資金
新型コロナの影響により収入が減少した世帯や、事業収入が減少した世帯を支援するための貸付制度が緊急小口資金です。
20万円以内で資金を貸し付けしてくれますが、緊急性を考慮して書類等の煩雑な手続きは極力簡略化し、貸付までのスピードが早いのが特徴(概ね1ヶ月以内/地域差あり)です。
総合支援資金
緊急小口資金では生活に必要な資金をまかないきれない世帯を支援するのが総合支援資金です。
1ヶ月20万円以内で新型コロナが原因となる減収分を、原則として3か月分貸付しています。
総合支援資金の実際の制度運用にあたっては、各都道府県市区町村で若干の差異があるので、利用する際にはお住まいの地域の社会福祉協議会のサイトなどで情報を確認しましょう。
生活に必要なお金を市役所や社会福祉協議会から借りる
事故・病気・リストラなどで、突如として収入が大幅に減少したり途絶えたりといった事は誰にでも起こり得ます。
新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう昨今の不安定な社会情勢下では尚更です。
そんな時には市役所や社会福祉協議会で実施している、上記のような貸付制度の利用を検討してみてはいかがでしょう。
どんなタイプの危機にも対応できるよう親身になって相談に応じてくれますし、生活や福祉のために必要な貸付制度が実際に幾つも用意されています。